やまいぬは書かねばと思った

変態ダンディ先輩とゴハン行った。

 
いつの日か
「若かったね」と笑う時
隣に君がいてほしい
泣いてみようか 夜の部屋 ひとり
 
やまいぬʕ ・(エ)・ʔ
 
 
*~*~*~*~*~*~*~*~* 
 
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変態ダンディ先輩とゴハン行った」話がしたい。
 
 
 
先輩はイケメンである。
 
 
 
否、ハンサムである。
 
 
いや、本当に。
 
 
 
ダンディズムを感じる。
 
 
 
彫刻のような顔と
長い手足の長身180cm。
 
 
ハーフかと思いきや、
まさかの秋田出身。
 
 
まさか、なんて書くと
秋田の人に怒られそうだが。
 
 
 
 
ダンディ先輩は、
 
最初から最後まで
 
 
セクハラめいた冗談ばかり
言っていた。

 

 

物凄い賢い人だと知っているので、
 
私は真面目に恋愛相談から
人生相談まで乗ってもらいたかったのに、
 
 
 
先輩ときたら。
 
 
 
「今日の俺のパンツは黒猫柄だよ」
 
 
「はぁ、そうですか」
 
 
「可愛いでしょ」
 
 
「はぁ、そうですね」
 
 
「昨日のパンツは紅葉柄だよ」
 
 
「そうなんですねぇ」
 
 
「可愛いでしょ」
 
 
「そうですねぇ」
 
 
「で、君のパンツ何色?」
 
 
「言うと思いましたよ」
 
 
「心の準備できてたでしょ」
 
 
「言いませんけどね」
 
 
「そんな大きな
おっぱいしちゃって」
 
 
「関係ないじゃないですか」
 
 
「Dの60!」
 
 
「何ですか、その鋭さは」
 
 
 
みたいな会話を終始やっていた。阿呆か。
 
 
 
こんなオヤジまがいの
セクハラをのたまうくせに、
 
 
 
何でか分からないが、
ちっとも、いやらしくない。
 
 
 
いや、本当に。
 
 
「自他ともに」認めるその端正な顔立ちに、長い手足でひょろひょろ冗談めかして言うので、
 
 
もはや、存在そのものが免罪符である。
 
 
 
治外法権おとこ。
 
 
 
とんでもねぇ。
なんだそのミラクルスキル。
 
 
 
くしゃみして、一息ついて、
 
「ねぇ、おっぱい触らせて」が、
 
まかりとおってしまうのだなぁ、これが。
 
 
 
でも、ダンディ先輩はご飯とお酒がおいしい隠れ家的なお店に連れてってくれ、
 
 
トイレに行くと見せかけて、知らない間にお会計を済ませてしまうような人だ。
 
 
 
本当にずるい。何もかもが。とんでもねぇ。
 
 
 
 
そんな先輩なのだが、
 
 
 
 
途中、「ところで、君は誰が好きなのかな」と唐突に聞いてきた。
 
 
 
 
うるせぇ。
どうせ彼氏いない歴ハタチだ
 
 
 
 
「言いませんよ」
 
 
「そういや、虎雄は優子にフラれたらしいね」
 
 
「へぇ、そうなんですか」
 
 
「でもって、君は虎雄にフラれてたりして」 
 
 
 
「いや、フラれましたけど」
 
 
「オヤ、こいつはオジサン困ったな」
 
 
「本当に何ですか、その鋭さは」
 
 
「冴えちゃうねぇ」
 
 
「冴えますねぇ」
 
 
「で、パンツ何色?」
 
 
「ぶっとばしますよ」
 
 
 
何度でも言う。
とんでもねぇ。
 
 
 
 
 
優子は私の後輩である。
 
 
愛媛が産んだ癒し系美女だ。
 
 
虎雄は私の同輩である。
 
 
青森が産んだゆるキャラだ。
 
 
断じて、イケメンではない。
 
 
ついでに脚も短い。
 
 
目も細い。
 
 
口も悪い。
 
 
可愛い子には優しい。
 
 
「世の中の9割の女子が可愛い」と明言した上で、
 
 
「なんでかなぁ、お前は可愛いと思わない」と言われた。 
 
 
 
涙も出やしねぇ。
 
 
 
嘘。ちょっと泣いた。
鼻水が出た。
 
 
 
「好きだ」って言ったら、
 
 
「俺には一世一代の大勝負が控えてるから、お前に構ってる暇はねぇ」
 
 
って言われた。
 
 
このど畜生め。
リンゴ食ってろ。
 
 
 
でもって、その大勝負とやらは、まんまと惨敗したわけだ。
 
 
 
愛媛美人に。
ミカン食ってろ。
 
 
 
もう、リンゴとミカン互いにぶつけて、
 
殺しあってくれ。頼む。
 
 
 
なんなら、私が雪合戦よろしく、リンゴとミカンそれぞれ両手に、
 
交互に力いっぱい、ぶつけてやるよ。
 
 
 
イスラムの石打ちの刑。
 
 
 
万年フラれ女の悲しみを思い知れ。
 
 
 
のび太だって、しずかちゃんと結婚するのに。
 
 
 
私のドラえもんはどこ行ったんだよ。
 
 
 
愛媛の出木杉にとられた。
 
 
 
嘘。とられちゃいない。
 
 
負けた。
 
 
何が? 私の女としての何か大切ものが。
 
 
涙も出やしねぇ。
 
 
くしゃみは出た。
はくしょん。
 
 
 
 
ああ、だけど、
 
 
 
優子は、本当に良い子なのだ。
 
 
 
私は残念ながら神様が意地悪して、
 
 
巷で言うところの、
 
おブスに生まれてしまって、
 
 
そりゃあもう、美人に嫉妬して、妬み嫉みで
 
荒れ狂ってるけど、
 
 
でも、優子は良い子だ。
 
 
冗談みたいだが、本当だ。
 
 
しかも、仲良しだ。
 
 
何回、ご飯奢ったことか。
 
 
 私が酔っ払って、
 
 
「彼氏できないうぇえぇえ」
 

とか、ダル絡みしても、理由はよく分からないが、

 
彼女は真面目な顔して

 
「私、先輩には本当に、幸せになってもらいたいです!」

 
と、その大きな目をうるうるさせながら言ってくれてしまう。
 

感動のあまり、私が抱き付こうものなら、
 


背負い投げした上で、顔面踏みつけても良いくらいなのに、

 
「大丈夫ですよ! 元気出してください!」と、

 
言いながら、ラファエロの聖母みたいな顔して、ちゃんと抱きしめてくれる。
 


私が男子だったら、虎男と刺し違える覚悟で、彼女に告白したい。

 
 
 
 
私は彼女が(一方的に)大好きだから、そりゃあ、もう何でも喋ってきた。
 
 
歴代の私が好きになった人も全部、知ってる。
 
 
勿論、その中に、虎雄も入ってた。
 
 
私が嬉々として、虎雄をいかに大好きかをサイゼリヤで延々と語るのを
嫌な顔もせずに聞いてくれた。
 
 
彼女は元カレがひどい男だったとか何とかで、今は恋愛はこりごりだと言っていたのに、
 
 
「先輩があんまり嬉しそうに話してくださるので、私まで嬉しくなっちゃいます!恋バナって聞くの楽しいです!」
 
 
だと。
 
 
 
もうね、眩しい。
 
 
 
私が玉砕した時は一緒に悲しんでくれた。
 
 
 
そんな彼女だ。
 
 
 
いいか、虎雄よ。
 
 
 
この際、私をそれはそれは気持ちよく、フッてくれやがった事はどうでもいい。
 
 
 
お前が優子を彼女にしたいなんて縁起でもない。
 
 
 
最近はやりの前前前世から 生まれなおしても無理だ。
 
 
 
ごめんね、優子。数行前で、殺しあえとか言って。
 
 
 
二人で虎雄にミカンぶつけよう。たまに石混ぜて。
 
 
 
本当は、ちょっと寂しい。
 
 
何が?この事実を優子本人が言ってくれなかったことが。
 
 
まさかこんな形で聞かされるとは。
 
 
でも、分かるのだ。
 
 
きっと、優子のことだから、虎雄に告白された時はさぞや驚いて、
 
 
それから、誠実に、でもしっかりと断ったのだろう。
 
 
そして私のことを思って黙っていてくれてたのだろう。
 
 
そういう子だ。彼女は。
 
 
虎雄が惚れてしまうのも、分かる。分かるよう。ううう。
 
 
 
優子よ。
 
 
 
私だって君に幸せになってほしい。
 
 
 
しゃーない、虎雄もついでに幸せを祈ってやろう。
 
 
みんな幸せになれ。
 
 
 
そんでもって、私に
幸せのバトン回してくれ。
 
 
 
 
あれ、そういや何か忘れてるな。
 
 
ていうか何の話だっけ。
 
 
 
そうだ、今日は
「変態ダンディ先輩とゴハンに行った」話だった。
 
 
じゃあ、この話はまた今度。
 
 
やまいぬでした(*'ω'*)