やまいぬは書かねばと思った

ドラえもんがいないのび太の話

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今日はドラえもんがいない

のび太の話がしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

どういうこっちゃねん?

 

 

 

 

 

 

 

と言いますと、つまり、のび太みたいな人間の私が、

 

ドラえもんのいない

この2017を、

 

はたまた、あと50年くらいをどうやって生きれば、

 

ええんやって話。

 

 

 

 

 

 

 

 

50年?

 

 

 

 

 

 

 

いや。せっかくだから、

あと80年くらい生きたいものだね。

 

 

 

 

 

それくらい生きたら、本物のドラに会えるかもしれないし。

 

 

 

 

やまいぬ、こと、私っていう人間は、それはそれは不器用で生きるのが下手くそなのだよ。

 

 

 

 

しょっちゅう忘れるし、失くすし、迷うし、遅刻するし、泣いて、怒って、怒られる。

 

 

 

 

 

けっこう、私の失くしものエピソードは、やばい。

 


病的なレベルだ。

 

 

これでも、昔よりはずいぶん、ましになったんだけど。

 

 

 

 

 

例えば。

 

 

 

 

 

私は小学校の一本道挟んだ裏側に住んでいる。

 

 

 

 

 

窓から小学校が見える。

 

 

 

 

 

よく遅刻しそうになった時は、

正門まで回るのが面倒くさくて、フェンスよじ登って怒られた。

 

 

 

 

 

だから、距離だけで言えば、私の家から小学校は大股20歩もありゃ届く。

 

 

 

 

 

近い。

 

 

 

 

 

めっちゃ、近い。

 

 

 

 

 

なのに、卒業式でもらった卒業文集を家に着くまでに失くした。

 

 

 

 

 

あれは、本当にあせった。

 

 

 

 

うちのオカンが。

 

 

 

 

 

泣かれた。

 

 

 

何せ、楽しみにしていた我が子の将来の夢のページを見る機会を永遠に失ったわけだから。

 

 

 

 

私だって、泣きたかった。

 

 

 

 

家と学校を何度も往復して、

 

 

先生に、卒業したばっかだってのに、

 

 

すぐ舞い戻って、

 

 

「私の卒業文集、知りませんか」だもの。

 

 

 

 

人間、辛いことは、防衛本能が働いて、記憶に残らないもので、

 

 

 

その時の先生の顔は全く思い出せない。

 

思い出したくもないけど。

 

 

 

 

 

でも、自分が何を書いたかは覚えてる。

 

 

 

 

 

将来は小説家になりたい、と書いた。

 

 

 

 

 

残念だな、

やまいぬジュニアよ。

 

 

 

 

あれ、ジュニアだと、やまいぬ二世、みたいな意味になる?

 

 

 

 

 

ルパン三世みたいで、ちょっと格好いいな。

 

 

 

 

千原ジュニアにも似てるけど。

 

 

 

 

まぁ、いいや。

 

 

 

 

気を取り直して、

幼き日のやまいぬよ。

 

 

 

お前はその後、大学に行って、プロの詩人やら芥川賞作家の教授に、それはそれは、ボロクソに批評される。

 

 

 

 

でもって、

 

小説書けば、

サークルの民にボロクソ言われ、

 

 

 

 

 

詩を書けば、

学科の民にボロクソ言われ、

 

 

 

 

 

脚本を書けば、

観客にボロクソ言われ、

 

 

 

 

ついでにオカンにも、

ボロクソ言われる。

 

 

 

 

 

小説も詩も戯曲も、

ついでに絵も、

 

 

 

 


自分より、遥かに才能がギラギラしてる人に遭遇して、その度にのたうち回ることになる。

 

 

 

 

ギンギラギンに、さりげなく、なんてことはない。

 

 

 

 

 

派手派手しいこと、この上ない。

 

 

 

 

 

ついでにヤングやまいぬの夢をもう一つ、壊してやろう。

 

 

 

 

 

君は当時、「バッテリー」のあさのあつこを、猛烈にリスペクトしてただろう。

 

 

 

 

尊敬のあまり、ろくに学校見学もせず、

 

 

 

「難しいから、やめときなさい」って言う、オカンと先生の言葉を無視して、あさのさんの母校、青山学院大学付属中学校を受けただろう。

 

 

 

 

そう、君は学校見学どころか、受験勉強もろくにしなかった。

 

 

 

 

 

タツに隠れて、

おいでよどうぶつの森
ポケットモンスター

ダイヤモンド&パールやってたじゃないか。

 

 

 

 

 

おかげで、問題集は進まなかったけど、金のジョウロは手に入れたし、無事にポケモンマスターになれたよ、君は。

 

 

 

 

 

でも、その裏では、オカンが買ってきてくれたドリルというドリルを、オカンと喧嘩して、びりびりに破いたりしただろう。

 

 

 

 

 

 

オカンが当時、ハマってた、陰山英男監修の、あのドリル。

 

 

 

 

 

漢字の書き取りが、嫌になるほど多くて、卑弥呼卑弥呼卑弥呼と書きながら、
何度も陰山さんを呪ったじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

君はマッキーで、大嫌いな陰山さんの顔を、ぐりぐり塗りつぶしただろう。

 

 

 

 

だから、青学に合格できなかったのは、陰山さんの祟りだと思うよ、私は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

敵にするには、あまりに相手が悪かった。

 

 

 

 

 

君が、勉強しないくせに、地元の神社仏閣だけはコンプリートして、熱心に祈って、お賽銭投げたのに、受からなかったと泣いたせいで、

 

 

 

 

以後、我が家は地元で初もうでできなくなったさ。

 

 

 

 

 

神様仏様陰山さんを恨んだりしちゃ、だめだ、幼き日の私よ。

 

 

 

 

 

 

オトンが買ってきたダルマをぶん投げたりしたら、いよいよ、バチが当たるぞ。

 

 

 

 

 

 

そういや、卒業文集には、将来の夢と、もうひとつ、小学校の思い出を書くスペースがあった。

 

 

 

 

 

おい、ヤングやまいぬ。

やってくれたな。

 

 

 

 

 

 

 

どうして君は、たいして仲良くもなれなかった、市原くんにさりげなく告白するような作文を文集に載せてしまったんだい。

 

 

 

 

 

 

皆が遠足やら運動会の思い出を書いている中、君だけ、特定が微妙にしづらい一個人に向けてのメッセージを書いたじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

失くしちゃったから、確認することはできないけど、

 

多分、あの書き方じゃ、

さりげなさ過ぎて、市原くんはおろか、誰が読んでも、

 

どういうこっちゃねん?と首をかしげるよ。

 

 

 

 

 

 

君は昔から、大胆なんだか、シャイなんだか、よく分かんないよ。

 

 

 

 

 

というか、クラスのアイドルだった市原くんに惚れるなんて、無謀だよ。

 

 

 

 

 

彼は我がクラスの一番美人のカナちゃんの告白を断り、

 

 

 

 

 

さらに美人な隣のクラスのミナコちゃんと付き合って、今年で8年目らしいぞ。

 

 

 

 

 

彼らはきっと、結婚するだろう。

 

 

 

 

 

だが、安心したまえ。

 

 

 

 

 

当時、あんなに愛されフェイスだった市原くんは

 

 

 

 

中学入ってから、急に金髪のチャラ男になって、今では見る影もない

 

 

 

 

 

っていう話を、風の便りで耳にする。

 

 

 

 

真偽のほどは分からない。

 

 

 

 

 

まぁ、君は20歳になって、憧れの男の子が、その後、チャラ男に落ちぶれたという噂を聞いて、

 

「ッシャア!」

 

ってガッツポーズするぐらいには、心が汚れてしまうよ。近い未来。

 

 

 

 

 

 

何の話だっけ。

 

 

 

 

 

そうそう、だから、私はのび太の生まれ変わりなんだよって話だ。

 

 

 

 

 

 

私はのび太にシンパシーを感じる。

親愛の情だって、湧く。

 

 

 

 

 

 

のび太だって、しずかちゃんと結婚できたんだから、

 

 

私だって、いつか、出木杉君くんと結婚できるに違いないと、自分に言い聞かせてる。

 

 

 

 

 

最近、その確信が揺らいでるけども。

 

 

 

 

 

だけど、私には、ドラえもんがいない。

 

 

 

 

 

秘密のポッケで叶えてくれる青いタヌキ君はいないのだ。

 

 

 

 

 

 

結婚だの何だのよりも、まず、無事、明日を迎えられるかが心配だ。

 

 

 

 

 

 

 

これは私にとって、切実な命題で、

 

中学校の多感な思春期の頃は、自分は将来、幸せになれないんじゃないか、

 

幸せになる力が備わってないんじゃないか、真剣に悩んだ。

 

 

 

 

 

 

でもね。

 

 

 

 

 

最近、思うんだよ。

 

 

 

 


私は出木杉くんどころか、スネ夫にもジャイアンにも出会っちゃいないけど、

 

 

 

 

 

 

ドラえもんみたいに、私を支えて、愛してくれる人たちに囲まれている。

 

 

 

 

 

 

だから、昔の私よ。

 

そして、2017の私よ。

 

 

 

 

 

 

そんな不安がらなくても良い。

 

 

 

 

 

 

きっと、大丈夫だ。

 

 

 

 

 

ちゃんと、幸せになれるよ。

 

 

 

 

 

 

人間、そもそも生まれてくること自体が奇跡なんだから、


幸せになれる力を持ってるはずだよ。

 

 

 

 

 

 

 

絶望さえしなければ、きっと未来は明るい。

 

 

 

 

 

のび太だって、沢山失敗しても、ウツにならずに、次の日には元気に空き地で遊ぶだろう。

 

 

 

 

 

のびのび、生きようぜ。

 

 

 

 

 

 

この弱くて、脆い、傷つきやすい心も、

 

きっと神様が、周りの支えてくれる人に感謝できるようにって、

 

ひとに優しくできるようにって、

 

与えたものなんだって、思うことにしたよ。

 

 

 

 

タケコプターがないなら、

自分の足で歩けばいい。

 

 

 

 

 

 

だから、大丈夫だ。

がんばろうぜ。

 

 

 

 

いつか美味しいどら焼きを食べに行こう。

 

 

 

 

今日は「ドラえもんのいないのび太の話」でした。

 

 

 

 

続きは、また今度。

 

 

 

 

やまいぬでしたʕ ・(エ)・ʔ

 

 

✽+†+✽――✽+†+✽――✽+†+✽――

 

 

空を自由に飛べない私は
代わりに空を写真に撮ろう
君の心が見えない私は
楽しい夢見て眠ろう今日も