やまいぬは書かねばと思った

私はあなたを惚れさせたい

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それは、事件だった。

 

 

 

 

事件、と呼んでもよいであろう出来事。

 

 

 

 


大変だ。

 

 

 

 

 

虎雄に話しかけられた。

 

 

 


しかも、なんか、優しかった。

 

 

 

 

 

なんか、私を見る目が、優しかった。

 

 

 

 

それは彼が普段、「可愛い女の子」に向ける、それだった。

 

 

 

 

ええええ。

 

 

 

 

 

ばかにすんな。

 

 

 

 


そんな簡単に、優しい顔するな。

 

 

 

 

 

虎雄っていうのは、

 

 

 

 

大学1年の冬から、2年の夏まで、


私が大好きで大好きで仕方なかった男の子。

 

 

 

 

 

「お前だけは可愛いと思えない」と言った男の子。

 

 

 

 

 

プライドばっかり高くって、不器用なくせに、

 

たまに頑張り屋で、感動屋で、いいやつになる、ずるい男の子。

 

 

 

 

私が、人生で一番、長く恋をしていた男の子。

 

 

 

 


こんなに簡単なのか、と思ってしまった。

 

 

 

 


「可愛い」って、簡単だ。

 

 

 

 

お洒落して、にこにこして、黙ってれば良い。

 

 

 

 

 

ずっと、昔から、ずるいと思ってた。

 

 

 

 

 

「可愛い女の子」がずるいと思ってた。

 

 

 

 


だって、私の方が、頑張ってる。

 

 

 

 


私の方が、「良いやつ」なのに。

 

 

 

 


どうして、あの子たちの方が、皆にちやほやされるんだろう。

 

 

 

 

どうして、私は愛されないんだろう。

 

 

 

 

そんな事ばかりを考えていた。

 

 

 

 


それが、今、こんなに簡単に、「可愛い」と言われる、思われる。

 

 

 

 

この違いは何なんだろう。

 

 

 


Twitterで、ある人に言われた。

 

 

 


「可愛いも美しいも、魂の問題。

 

 

 

 

やまいぬちゃんは可愛い。

 

 

 


それはもう間違いなく、めんこい。

 

 

 

 

だって、魂が可愛いんだもの」

 

 

 


あの頃の私が聞いたら、嬉しくて嬉しくて、大泣きしてしまう。

 

 

 


なんで「可愛い」と思われるのか。

 

 

 


それは、たぶん、「可愛げ」が出てきたから。

 

 

 

それは、たぶん、「魂」が綺麗になったから。

 

 

 


昔より、私は自分を好きになった。

 

 

 


それは、お洒落を覚えたからかもしれない。

 

 

 

楽しいと思える日が増えたからかもしれない。

 

 

 


自分がちゃんと愛されていることに気づいたからかもしれない。

 

 

 

 

色んな女の子に素直に「可愛いね」って言えるようになったからかもしれない。

 

 

 


「可愛い」って人に言ってたら、自分自身も「可愛い」と思えるようになったからかもしれない。

 

 

 

 

愛されたいと思っていた時、ひとは遠ざかって行った。

 

 

 

 

優しくされたいと思っていた時、ひとは冷たかった。

 

 

 

そうだ、私は前よりも、ひとを好きになったのだ。

 

 

 

昔より、私はひとに優しくなった。

 

 

 


ひとの良いところを見るようになった。

 

 


ひとを素直に、愛しいと思うようになった。

 

 

 


気づいたら、変わっていた。

 

 

 


それは、確かな変化。

 

 

 

朝たった15分身だしなみを整えて、お洒落して、ゴキゲンでいれば、

 

きっと、私もあなたも可愛いだろう。

 

 

 

ゴキゲン、が大事。

 

 

 


ルンルンでいること。

 

 

 

失敗しても、反省したら、ちゃんと自分を許してやること。

 

 

 

自分のことを見捨てないこと。

 

 


自分をいじめないこと。

 

 


憎まないこと。

 

 

 


男子も女子も、まずはお洒落してみればいい。

 

 

 

それだけで、自分を、ちょっと好きになる。

 

 

 


それだけで、ちょっとゴキゲンになる。

 

 

 


ニコニコしてれば、素敵なひとだ。

 

 

 

 


そして、皆を「可愛い女の子」と油断させておいて、

 

 

 

 

こっそり、自分だけの武器を磨こう。

 

 

 


ピカピカに磨きあげた剣を、いつか懐から抜き出して、

 

 

 

 

華麗な技を見せつければいい。

 

 

 

 


シュバッ

 

 

 

 


その時、きっと皆が本当に心を奪われるに違いない。

 

 

 

 

なんて、それは楽しいんだろう。

 

 

 

 


「可愛い女の子」のままじゃ、つまらない。

 

 

 

 

魅了したい。

 

 

 

  

 

せっかく生まれてきたんだからさ。

 

 

 

 

 

一度くらい、あなたを、虜にしてみたい。

 

 

 

 

 

私はあなたを惚れさせたい。

 

 

 

 

 

憂いて、嘆いてる暇はない。

 

 

 

 

バイバイ、虎雄。

 

 

 


私は、先に行くからね。

 

 

 

 

あんまり女の子にデレデレしてばっかじゃだめだよ。

 

 

 

 

電柱にぶつかるぞ。

 

 

 

 

今日は「私はあなたを惚れさせたい」というお話でした。

 

 

 

続きは、また今度。

 

 

 

やまいぬでしたʕ ・(エ)・ʔ

 

 

 .+*:゚+。.☆

猫も杓子も可愛い可愛い

君の愛は簡単ね
ごめんね女の子は飽きちゃった
馬に跨り 草原走るわ